いつまでたっても、あなたの膝の痛みは治りません

 膝の痛み

膝が痛いときがありますか?

私もたまに、右膝が痛くなることがあった。

私のつぶやきである。「そろそろ、オレの膝も軟骨がすり減ってきたのかな。なにせ、若いときからかなり走り込んできたし、これもしょうがないことなのかな」と正直、あきらめモードになったときもあった。

そうそう、私が普段、診る方たちも腰痛、肩コリ、首の痛み、その次くらいに来るのが、膝痛だ。なかには、歩くのも億劫な状態で来られる方もいるし、普段は大丈夫だが、2〜3日前から痛い。階段の上り下りがツラい、という方まで、膝の痛みには人それぞれいろんなランクがあるものだ。

痛くても、膝には触らない

かなり前に右膝を痛めたらしいその方は、いつもなら膝の痛みを訴えないが、その日は開口一番に膝が痛いと言い出した。ただし、激痛で歩けないほどじゃなく、歩き出した瞬間や、階段の上り下りするときに膝に力がはいりにくいという訴え。

さてよく診てみると、若干の腫れがあるが、それほどの熱感もない。でも膝にわずかな炎症はあるだろう。だから腫れているのだ。だから、膝にストレスがかかると痛いのだ。

「今は、1日ごとに痛みがラクにはなっている…..。」こう本人が言う、この言葉が大切だ。膝の炎症が、徐々にひいていく傾向があるのを判断しなければ、無駄に痛み止めを飲んだり、湿布を貼り付けてせっかく治ろうとしてる組織の血流を阻みかねない。

私はこの場合、膝が痛くても、膝には触らないのだ。

足首を診ろ

あなたは、「膝の痛みに足首を診ろ」、なんていうのは普段聞かないかもしれない。でも今回の場合、この方の膝の炎症をはやく取り去り、きちんと自然治癒力が働きやすい状態にしてあげるのが最善だと私は思う。足首を内側にひねる筋肉が、スネの骨の内側にあるが、この筋肉が硬くなってしまうと、(膝痛がある人は硬い)普通に歩いたりや、階段の昇降で膝にストレスがかかり、普段痛くないような人でも、膝が痛くなってしまうことが多い。これが足首を診ろ、という理由だ。

足首をちゃんと診て、膝関節の変形を止めろ

歩いてるとき、走るとき、しゃがみ込むとき、階段の昇降…..

膝の痛くなるシチュエーションは多いと思う。そんなとき、あなたは膝にばかり目を向けてしまいがちだし、多くの医療従事者も、膝しか診ないで診断してしまう。思い浮かべてみてほしい。現に年を重ねれば重ねるほど、膝が痛くて困ってる人がたくさんいるじゃないか。膝痛に、膝だけを診てきたから皆治らない。年をとれば膝の関節が減るのは事実。レントゲンも膝しか診ないで、「ほれ、あなたの膝の痛みの原因はこれだ」と、たたみかける。ほとんどの人が、骨や軟骨にばかりで、足首や筋肉になど目を向けない。だから多くの人の痛みがとれなくて、自分の膝の痛みをあきらめているのだ。

さあ、膝以外だ。まずは、足首も診てもらおう、

事実、痛みがとれても膝が治ることはない

先程の膝が痛い方の話に戻そう。足首を内側に向ける筋肉が硬くなると、
(一応名前を挙げておくが、後脛骨筋こうけいこつきん)足をついたときに膝関節にストレスがかかる。つまり痛みを感じることで、本人は自分の膝が悪いことに気づくのだが、そこを私が弛めると、かなり痛みが軽減する。おそらく自然治癒威力が促進されて、以前の痛みのない状態に戻るからだろう。

でもこれで、「一件落着、ありがとうございました」と、いうわけにはいかないのだ。

痛みが一時的に失くなったところで、膝の変形や軟骨のすり減りは治らない。自分の、身体の使い方を変えないと、また足首の筋肉は硬くなり、膝にストレスがかかる。そしてまた痛みを取る方法を探す。でもちょっと待ってほしいのだ。痛みというのは、生き物が正常に、長く快適に生きるために必要な大事なシステム。あなたの膝がこれ以上壊れないように、なんとか正しい対処法をみつけてほしいから、あなたに知らせてくれているのだ。

膝の関節は本来、曲げることと伸ばすことが得意な関節だ。足首や股関節のように、いろんな方向には動かない。あなたの日常生活の動作や身体の使い方に、膝をねじるような習慣があるのなら、それに着目して変えられるものなら変えよう。そうすれば、膝の関節の変形や、軟骨のすり減りを食い止めることができるし、何より膝がとても楽になるから、いままで諦めていたいろんなことに、また挑戦することが可能になる。それって素晴らしいことではないか。

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