ガンの方に、セルフケアってぜったい勧めるべきですか?【結論から言えば、勧めるべき】
理由は、施術する側とされる側、双方にとっていいことずくめだから。
でも、勧める必要のない人がいるのも事実。
私は数年間、温熱器を扱うプロである温熱療法師の育成に携わっていたので、今でも現役のプロの温熱療法師から、温熱に関する多くの質問をされる。
なかでも、セルフケアの必要性についてはよく聞かれるので、今回はどうして勧める必要があるのか?
または、勧める必要のない場合の事例は?
などの疑問にプロの観点から書いていきたいと思う。
ガンの方にセルフケアが必須な理由
ガンを患う方。
少なくなったとはいえ、依然として来られる。
私は、ガンそのものに対する直接的な治療法として、三井温熱療法を捉えてはいない。
理由は明確。治るか治らないかが、はっきりしないからだ。
不確定要素が大きいなら、その療法は病気そのものに対する積極的治療法とはならないというのが、いまの私の考えである。
とはいえ、三井温熱療法は、ガンの三大治療法による副作用や、ストレスによる痛みの緩和効果の高さから、患者様のQOL向上に、絶大な効果を発揮できる温熱療法である。
温熱を施すプロである温熱療法師は、痛みの原因や不調の原因を探して、温熱するべきところを特定できる。もちろん、”できる”のは、温熱療法師としてプロレベルであるということが前提だが。
ガンを患う方の痛みや不調は、実際に深刻なものである。
これが、三井温熱をした後は身体がとてもらくになり、その人には笑顔がもどる。
しかし、驚くべき速さで症状が戻ってしまう。
身体のあちこちに痛みや不調があると、ストレスが増大し、それがさらに痛みを増すことになる。
私の経験ではこんな状態だと、そもそも免疫力が落ちるのが目に見えているので、ガンが治る可能性が限りなく低下してしまう。
治る、または進行しないよう現状維持するには、できるだけ痛みや不調は抑えるべきだ。
しかし、大きな問題が生じる。例え、命に関わるガンという病でも、週に3回など、三井温熱を受けには来れないのが現実だ。
体力的な面もあるし、金銭的な面も大きい。
プロにしてもらえば、確実に、心も身体もラクにはなるけど、そうはいかない人が圧倒的に多い。
それならそのままにしておくのか。私の記憶には、温熱セルフケアを毎日懸命にやり続けた結果、「ガンを克服した」という例も複数あった。
いろんな理由で来れないなら、温熱器を自分で持ってもらい、温熱療法師が施術を通して見つけたポイントを中心にセルフケアしていく。
そしてその人の無理にならない範囲で、施術に来ていただく。
これが、自宅での温熱器によるセルフケアが必須である理由だ。
セルフケアを勧めるなら、細かくやり方を教えること。
細かく、「セルフケアのやり方を教えること。」当たり前のことだけど、できていない指導者が多い。
だが、「できていないじゃ済まないのだ。」せっかく温熱器を購入しても、その大きな価値を発揮できるのは、ほんのわずかな人だけ。
それでは、プロから受けた施術効果はきれいさっぱり消えてしまい結局、「三井温熱療法は効果がなかった。」で終わってしまうのだ。
そういえば、三井温熱療法の創始者は、患者さんにセルフケアのやり方を細かくは教えていなかった。
教えてはいないけれど、温熱施術中に何度も治療点(熱いところ)を強烈に刺激し続けるので、受けている方は、自分の治療点(セルフケアで、温熱器を当てるところ)を嫌という程、脳裏に刻み込まれている。
しかもその頃、三井温熱療法は積極的なガンへの治療法として捉えられていたので、患者さんも必死だった。
遠方から三井温熱を受けに来られていた方も多かったので、当然多くの回数を通い続けることは難しい。
この時代は、”受けてがセルフケアに超積極的な時代。”
今は、こちら側が積極的に、セルフケアの効果的なやり方を教える必要がある時代だ。
気迫を込めて、「あなたのために、やり方を伝えている!」感を滲み出さなければ、温熱療法師の思いは伝わらないし、きちんとは使えるようにはならない。
セルフケアを勧める必要のない例は?
いくらお伝えしても、セルフケアしない人もいる。
普段、あんまりツラい自覚症状を感じない人など、ほんとにやらない。
普通に生活できてるということが主な理由なのだけど、「する時間がない」とか、「調子がいい」とか述べるが、つまるところ危機感が足りないのだ。
危機感の足りない人に、言い換えれば、”悩みの浅い人”にセルフケアの必要性をいくら説いてもこちらが疲れるだけ。
ただし、自分の施術の責任範囲は明確にしておいたほうがいい。
何か症状が悪化したときに、「温熱してたのになぜ?」なんて言われては困るからだ。
あとは充分に必要な回数が通える人。例えば、距離がすごく近くて通いやすいとか、金銭的にすごく余裕がある人とかも、積極的なセルフケアには、あまり関心を示さない。
患者様が望む結果を満たすために、必要性を伝えること
プロの温熱療法師である、あなたが診て、ぜったいに必要だと思ったら、精一杯の誠意を込めて、セルフケアの必要性を語ればいいと思う。
もちろん、あなたが自分でも温熱セルフケアを実践していて、限りなくその価値を実感していることが前提になる。そうじゃないと、セルフケアの良さも必要性も、強くは伝わらないし、効果的な使い方など教えられるわけがないのだ。
型にはまった、平凡で教科書通りのセルフケアでは、大した効果は望めない。
その患者様の状態をいちばんよく知るあなたが、誠意を込めて伝える温熱器によるセルフケアは、他の機器では実感できないほどの価値をユーザーに与えられるのは確実だ。
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